2023年5月20日のコンサートに寄せて

プログラム
シャコンヌBWV1004
アンナマグダレーナの音楽帳からメヌエットBWV Anh114
リュート組曲第1番BWV996………J.S.バッハ

ー休憩15分ー

魔笛の主題による変奏曲…F.ソル
光のない練習曲…A.セゴビア
グラナダ…I.アルベニス
リュートのための6つの小品…作者不詳
南のソナチネ…M.M.ポンセ

前半はバッハ祭りで、後半はセゴビア祭りです。
15年以上、僕はリサイタルでバッハを弾くことはありませんでした。それは僕の能力では暗譜することや音楽をコントロールすることが難しいからです。でもなんとなく…約1年半くらい前からバッハの楽譜を開いてしまったら、止まらなくなってしまいました。
シャコンヌは言わずと知れたバイオリンの名曲。僕が一番バリバリギターを弾いていた年齢の頃、若さの勢いで1週間で暗譜して、音楽の中身のない音の羅列で弾いていた曲を、今(1年半前)、さらい直すと、その記憶の断片すらないほどすっからかんで、一からやり直しでした。それを今日、構築し直して弾かせていただきます。
2曲目のメヌエットは鍵盤楽器の習得者が幼少の頃よく弾く、レーソラシドレーソッソ♪で始まる、あの曲です。大曲2曲の間の箸休め的な要素としてギター用に編曲して弾かせていただきます。
前半の最後のリュート組曲第1番は、23年前(19歳)、僕がギターを始めて最初に人前で弾いたバッハの曲です。中でもブーレは、中学2年の時、初めて弾きたいと思ったバッハの曲です。勢い込んで力任せに弾いくことのできた頃とは全く違う今…と言っても、僕が僕であることは本質的にはあまり変わらないのですが、ギターを含めて挫折と絶望を耐え忍ぶことで心に染み付いてしまった余計な思いをかき消すために、今日、また凝りもせずバッハを弾かせていただきます。そこにピカルディー終止のような光があると信じて。
今年はアンドレスセゴビア生誕135年ということで、セゴビアのレパートリーを弾かせていただきます。
魔笛の主題による変奏曲はセゴビアの改訂譜から曲のモチーフを活かし切る分析能力を読み取ることができますが、ここでは原典版で演奏させていただきます。
セゴビア作曲の光のない練習曲は交通事故で絶望の中で生まれた曲だそうです。その和声からはギターの響きを超えた幻想的な音の流れを感じます。セゴビアの能力に及ばないまでも、失礼して、弾かせていただきます。
ギター用に編曲されたアルベニスの曲はたくさん弾きましたが、唯一避けて来た曲がグラナダ。それは僕の左指が不器用で音楽が流れないからです。でも僕の楽器の、指板の幅、弦幅、ネックの厚みなどを、狭く薄くしてもらうことで、なんとかコントロールできるかもしれないので弾かせていただきます。
リュートのための6つの小品は僕がカセットテープで何度も聞いたセゴビアの演奏曲です。ルネサンスだろうとバロックだろうと時代背景に関係なく炸裂するセゴビア節が正しいと思い込んでいた中学生の頃とは今は違う大人ですが、その頃に見た聞いた過剰なロマンがあるから、今、求められもしないのにコンサートを開くギタリストくらいではいられるのです。
最後は没後75年のポンセ。セゴビアが最も援助したポンセ。南のソナチネ。霊性なテーマを曲に書き込むことがあるポンセの曲を、気の向くままに、感じるがままに弾かせていただきます。
どうか、お許しください。

すべてはつながっている。

佐藤純一

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